満月の夢の魔法⑦

_______________ 「ん そうだ──! ヒント、貰えたんだ!」 キミに夢の中で宿題出されたんだ。 苦手や好きじゃないと思う人の苦手な所、好きじゃない所を探すんだよね。 それが、私の良くない所・・・。 まだ、学校は春休みで始まらないから、家の中で探してみよう。 それで、次にキミに会う時に話そう。 約束、守るからね──。 「よしっ!下に降りてお母さん達にも伝えよう!」 そう言って、私は部屋を出た。 そういえば、夢の中でキミと会う日は1日、目の前が暗くならないな。 何かあるのかな? あ──。 「お母さん!おはよ!」 リビングに居たお母さんを見て、さっきまでの疑問は頭の中からすっぽり抜け落ちた。 「お母さん、あのね──!」 直ぐに私は、お母さんに夢の中でキミが話していたことを言った。 キミが私が起きている時から見ているなんて知らずに──。 “(キミが話さなくても知ってるよ。 私の意思で、ずっとキミを見ているからね。 私の隠し事に触れないでくれてありがとう──。 キミと会って話すのを楽しみに待っているよ。 キミの魔法が解けたら、全てをキミに話すからね。 キミの名前も呼ぶよ。 結夢──)” _______________ 「おやすみー」 ガチャ パタン 時刻は午後10時。 春休みのため、少し遅く部屋に入った。 あれから、お父さんとお姉ちゃんにも夢の中でキミが話していた事を言った。 そして、家の中で、苦手、好きじゃないと思う人の苦手、好きじゃない所を見つけた。 キミとの約束だから──。 それと、朝は頭の中から抜け落ちた、疑問に思った事──つまり、夢の中でキミと会う日は1日、目の前が暗くならないという事。 今、また不思議に思った。 理由は、今日1日、キミと夢の中で会って、目の前が暗くならなかったから。 だから、もし明日、目の前が暗くなったら、キミと夢の中で会った日は暗くならないという事になる。 「どうして夢の中でキミと会った日は、1回も目の前が暗くならないんだろう」 私はそう呟いてから眠りに落ちた──。 キミが──。 “(あ~、そこにも気づいてきちゃったか~。 キミは本当に勘が鋭いね。 人の少しの異変にも気づくもんね。 そこは──昔と変わらないね。 でも、昔をキミは覚えていない──。 ・・・私は、1度も忘れたことはないよ。 ううん、忘れられない。 でも、まだこの事をキミには言えないかな。 だけど、これもキミが魔法を解くことが出来たら言うからね。 お礼と一緒に──。 だから、私はキミが魔法を解くのを、カギを開けるのを待っているからね。 結夢──)” 切なそうにそんな事を思っていたなんて、私は知らずに──。 _______________ 3月の満月から約1週間後──。 今日から私は中学2年生になる。 そして、今日は始業式──。 ジリリリリリリリリリリ_______________ ジリリ──カチッ 「ん、 ふぁ~ さっ!今日から学校! 今日は、始業式!! 学校で私の鏡を見つけよ──! 暗!!」 フッ──! 私は朝、いつものようにベッドの上に起き上がったら、目の前が暗闇に支配された。 そして、数分後──。 「見えてきた! よしっ!!そろそろ、下に降りよう!」 私はそう言って下に降りた──。 _______________ 「行ってきます~!」 私は学校に行く支度を終え、今は玄関に居る。 「は~い、行ってらっしゃい! 気をつけてね。 暗くなったら無理はしないように!」 「うん、無理はしないよ! じゃあ、行ってきます!」 「はーい!行ってらっしゃい!」 私はお母さんの返事を確認してから外に出た──。 _______________ 「「結夢~!!おはよう!!」」 「おはよう!!咲月、星花!」 私は学校の校門の所に着いたと同時に、咲月と星花に会った。 「今日から2年生だね!」 「そうだね!」 「2年生だ!」 「この学校って、3年間クラスも担任も変わらないんだよね?」 「そうだよ~」 「そしたら、私達3人も3年間同じクラスだね!」 「そうだね!」 「嬉しい!」 「よし!そろそろ、教室行こうか!」 星花がそう言ったと同時に私達は教室へ向かった。 〈コメント〉 こんにちは、カナリヤです。 ここまで読んで頂き、ありがとうございます。 ここからは、前回と同様、私のコメントを書かさせて頂きます。 前回のコメントで、新しく入所した1人の女の子に自分から声をかけたことを書かさせて頂きました。 今回はその続きを書かさせて頂きます。 あれから、何度か私から、朝、施設に来た時に挨拶をしていたら、その女の子から声をかけてくれました。 それから、少しずつ話せるようになり、その女の子も笑顔を見せてくれるようになりました。 私は、その女の子の笑顔を見て、挨拶し続けて良かったと、話しかけて良かったと思いました。 勇気を持つことは、そう簡単な事じゃないと私は思っています。 ですが、その壁を乗り越えた先に見える景色は、とても幸せで、最高で言い表せないほどでした。 今まで、私は壁を乗り越えず勇気も持てず、立ち止まったままでした。 ですが、幸せで最高の景色を見た今、これから向かってくる壁に勇気を持ち、自信を持ち、立ち向かって行きます。 最後に、私のコメントまで読んで頂き、ありがとうございました。 長文になってしまい、申し訳ありませんでした。

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