満月の夢の魔法⑧

「今日は、始業式だけで終わりだよね」 「うん、そうだよ~」 教室に着き、私達はそんな会話をしていた。 「はーい、名前の順で席座ってー」 「はーい」 そこに、1年の時と同じ担任の先生が教室に入ってきて、そう言った。 私達は名前の順で席に着いた。 今日から2年生で学校が始まる。 キミと約束した私の鏡を探そう! 約束、絶対守るからね──。 _______________ 「バイバイ~」 「「バイバイ~」」 あれから、体育館に集まり、始業式を終え、宿題を集めたり、プリントを配ったりし、学校が終わった。 そして今は、下校途中。 ついさっき、星花と咲月とわかれ、今は1人で歩いている。 私の鏡については、苦手、好きじゃない所を探してみて、少しずつ私の鏡が分かってきている。 明日も、今日と同じように探してみる!! そう思いながら家へ着いた。 _______________ 「おやすみー」 ガチャ──。 パタン──。 午後9時半。 私はついさっき、お母さんに挨拶をして、自分の部屋に入った。 「よし、寝よう~」 そう言って、ベッドの方に行こうとしたと同時に──。 「暗!」 フッ──。 ガタガタ──! 目の前が暗くなった。 私は、近くにあった丸いテーブルに手をついて、慎重にその場に座った。 「よし、これでちょっと待とう──」 _______________ 「見えるようになった!」 座って待っていたら、だんだん視界が良くなり、3分経った今、完全に視界が良くなった。 「今のうちに寝ちゃお!」 そう言って私は立ち上がり、ベッドに横になった。 私は眠りに落ちた──。 _______________ 始業式から3週間後──。 明日から5月だ。 そして今日は、満月の夜の日 キミに会える日だ──。 ジリリリリリリリリリリ_______________ ジリリ──カチッ 「ふぁ~ 起き──! 暗!」 目の前が暗くなるのは変わらない。 _______________ 「よし!完全に見えるようになったから、下に降りよう!」 叫んでから3分後──。 視界が完全に良くなったため、私は下に降りた──。 _______________ 「おやすみー」 ガチャ──。 パタン──。 寝る時間になったため、私はお母さんにそう言って、自分の部屋に入った。 「よし!今日はキミに会える日──! 暗!」 フッ──。 ガタガタ──! キミに会えると張り切っていたら、いつものように視界が暗くなった。 そのため、昨日同様に丸いテーブルに手をつき、その場に座った。 _______________ 「よし!良くなった! ベッドに入って、横になっちゃおう!」 3分たち、完全に視界が良くなったため、私はベッドの中に入った。 この何週間かで、何個か自分の鏡を見つけた。 私の鏡は、素直じゃない、頼らない、自分の事を言わない、そして、マイナス思考──。 今日、この事をキミに言おう──。 あと、明日の朝に、キミにあった日は暗くならないかを確認しよう──。 そう思いながら私は夢の中へ落ちた──。 _______________ “久しぶりだね また会えて嬉しいよ” 『うん、久しぶり! 私も会えて嬉しいよ! あっ!宿題やってきたよ!』 “キミの鏡の事だね。 それじゃあ、宿題の事を教えて?” 『うん! 私の鏡は、素直じゃなくて、人を頼らなくて、自分の事を言わない人、そして、マイナス思考の人だったよ。 それで、私もこの性格があるって思ったんだ』 “うん、そうだね。 自分の良くないところを全て認めたんだね。 偉いね。 それじゃあ、自分の事を言わなくて、頼れなくて、素直になれなくて、マイナス思考っていう性格、キミはどう思う?” 『私は・・・。 その性格、面倒臭い。 辛い。 自分で自分を苦しめているだけだから。 それに、マイナス思考なんて嫌だ』 “うん、そうだね。 素直になれないって面倒だよね。 人を頼らないって辛いよね。 自分の事を人に言えないって、自分で自分を苦しめているだけだよね。 マイナス思考も嫌だよね。 そしたらキミはその性格をどうしたい?” 『私は、その性格を・・・。 なおしたい。 自分の事を素直に言って、人を頼りたい! そして、プラス思考になりたい!』 “そっか。 そしたら、キミがなおしたいその性格、なおそう” 『うん!なおす!』 “なおすためには、大切なことがあるよ” 『大切なこと? それって何?』 “それは、何個かあるんだ。 これから、夢の中でキミにそれを教えるよ。 それでも、キミはなおしたい?” 『もちろん!! 大切なことが何個あっても私はなおす!』 “わかった。 それじゃあ、今日から1つずつ教えるからね” 『うん!!ありがとう! よろしくお願いします!!』 “それじゃあ、まず1つ目。 それは──。 捉え方、だよ” 『捉え方?』 “そう、捉え方。 捉え方は、物事の捉え方” 『捉え方をどうするの?』 “捉え方をプラスに使うんだよ。 マイナスじゃなくてね。 たとえば、誰かにちょっかいをされたとするね。 それで、なんでちょっかい出すの! って思うとする。 そうすると、ちょっかいを出せれて嫌だ、そう思うのと同じになる。 だから、ちょっかいを出されることにイラッときているんだ。 ということは、マイナスに考えているのと同じでしょ? でも、そう思わず、あの人がちょっかいを出したっていう事は、もしかしたら、あの人はかまって欲しいのかもしれない。 そう思えば、イラッとも来ないし、逆にプラスに考えているでしょ?” 『うん、イラッと来ないし、プラスに考えてる!』 “じゃあ、捉え方の意味、分かった? 捉え方はプラスとマイナスがあって、プラスに考えれば自分も相手も楽。 それは、プラスに考えると相手にイライラしないっていうのがあるから。 だから、プラス思考と同じかもね” 『うん!分かった! ありがとう!!』 “明日から、捉え方をプラスにしてみて。 宿題ね。 お母さん達にも伝えてね。 それじゃあ、また、会えるのを楽しみに待ってるから。 またね──” _______________ ジリリリリリリリリリリ_______________。 ジリリ──カチッ。 「ん、 キミとの宿題──」 捉え方──。 今日の学校からやってみよう! さ、下に降りて、お母さんに伝えよう! あ、そういえば、キミと会った次の日はやっぱり目の前が暗くならないな──。 夜も確かめてみよう──! 1か月後、キミと会う時に宿題出来たよって伝えよう。 「キミと会えること楽しみに待ってるね」 私は朝起きて、そう言いながら下に降り、お母さんに夢の中の事を説明をした。 キミが聞いているとも知らずに──。 “(キミが自分の性格に気づいてくれて良かった──。 勘も鋭いし、頭もいいから、説明がなくても理解してくれるし。 でも、勘が鋭くて、頭がいいから私と会う次の日は目の前が暗くならない事に気づかれちゃった。 夜も確かめるんだね。 でも、唯一の救いは、私の正体には気づいてないこと。 本当に良かった──。 キミが魔法を解くことが出来たら言うからね。 お礼と一緒に、全てを──。 だから、私はずっと待ってるよ。 キミが魔法を解くことを、鍵を開けることを──。 結夢──。)” _______________ 「行ってきます~!」 「はーい!行ってらっしゃい!結夢!」 私は身支度を整え終え、学校に向かった──。 _______________ 「「結夢!おはよう!夢の中で会えた?」」 「咲月、星花おはよう! うん、会えたよ」 数十分後──。 私は教室に着き、咲月と星花に挨拶を返したあと、キミが夢の中で宿題を出したことを話した──。 _______________ 穏やかに時間はすぎ、今は、3時間目の授業中──。 「ぶはっ!!」 「そこー!何してるのー!」 元気だな──。 授業中でも、元気だな──。 ある子が、授業中に笑ってしまったため、先生がそう注意した。 私は、ある子が少し大きな声で笑っていても、うるさいと思わず元気だと思った。 キミが昨日の夢の中で言っていた、捉え方だ。 今みたいに思うと、全然平気! 気持ちも楽になる。 ありがとう、キミ──。 _______________ そんなこんなで時間すぎ、あっという間に下校時間。 咲月と星花と話しながら歩いていく。 「バイバイ~」 「「バイバイ~」」 話しているうちにいつもの信号。 咲月と私は星花の言葉にそう返し、私達は自分の家の方へ歩いていった。 _______________ 「おやすみ~」 ガチャ。 パタン。 時刻は午後9時半──。 私は寝るため、自分の部屋に入り、直ぐにベッドに横になった。 やっぱり、キミとあった日は目の前が暗くならないな。 どうしてだろ? 何か、キミと関係しているのかな? でも、キミには聞かない。 関係があったとしても、キミが言うまで私は聞かない。 私に知られたくないかもしれないから。 「キミが言ってくれるまで、私は待つよ──」 私はそう言いながら眠りに落ちた──。 キミが聞いているとも知らずに。 “(確実に、私と会った日は目の前が暗くならないって気づいちゃった。 でも、良かった──。 キミが、学校で私の言っていたことを試してくれて──。 明日からも試してみて。 変わってみて、結夢。 優しいところは変わらないでね。 昔からあった、キミの優しい性格──。 その性格に私は救われた。 ありがとう──結夢。 魔法を解いたら、お礼と一緒に全てを言うよ。 結夢──。)” _______________ 時は過ぎ、5月もあと少しで終わりを迎える。 そして、今日は満月の夜。 キミに会える夜。 4月の満月の日、夢の中でキミと会った日から、私はキミの宿題を試して心も楽になった。 今日は、キミにこの事を伝えて大切なことをまた1つ、キミから学ぶ。 楽しみ──。 そう思いながら私は夢の中へ落ちた──。 _______________ “1か月ぶりだね。 私との宿題を試してみてくれてありがとう” 『私こそありがとう! キミが教えてくれたから、私、すごく心が楽になったよ! 本当にありがとう!』 “それなら、良かった──。 ・・・それじゃあ、今日も大切なことを1つ教えるね” 『うん! ありがとう! 2つ目だね!!』 “うん、2つ目だよ。 教えるね” 『うん!』 “2つ目の大切なこと、それは──。 考え方、だよ” 『考え方?どんな風に使うの?』 “考え方をプラスに使うの。 例えば、誰かが文句を言っているとする。 そうしたら、また文句言っている、とかって、マイナスに考えるとする。 でも、前の私もあんな感じて文句を言っていたかもしれない、人の悪い所しか見つからないなんて勿体ないなーって考えると、文句を言っている人に対して、怒りも来ないし、自分の事を振り返ることが出来る。 だから、逆に文句を言っていた人に感謝できるんだ。 これが、プラスに考える。 分かった?” 『うん、分かった!ありがとう! 明日からやってみるね!』 “うん。 今回の宿題は考え方だから、そうして。 それと、この事、お母さん達にも伝えてね” 『うん!』 “それじゃあ、またね。 次会う時を楽しみに待ってるね。 またね──” 〈コメント〉 こんにちは、カナリヤです。 ここまで読んで頂き、ありがとうございます。 ここからは、前回と同様、私のコメントを書かさせて頂きます。 現在、3年生が施設を退級する、退級式の準備が進められていて、私ともう1人の女の子が、退級式の時の在校生代表挨拶に指名されました。 そのため、今週の水曜日に、その女の子と代表挨拶の方で会話をしました。 その女の子は、見た目が大人しそうで、私の中ではあまり話さない印象でした。 ですが、全く違くて、よく喋り、とても面白い女の子でした。 よく、”人との会話やコミュニケーションは大切な事”と耳にしましたが、本当の事なんだと身をもって体験しました。 とても小さな事がきっかけでも、それが繋がりで、とても大切な事なんだと気付きました。 これからも、人との会話やコミュニケーションを大切にして過ごします。 最後に、私のコメントまで読んで頂きありがとうございました。 長々と書いてしまい、申し訳ありませんでした。

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