2021/02/13
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ジリリリリリリリリリリ_______________。
ジリリ──カチッ。
「ん、」
そうだ、今回の宿題は考え方。
今日からやってみよう!
下に降りて、お母さん達にも言おう!
「私もキミに会う時を楽しみに待ってるよ──」
前回と同じように、私は目の前が暗くなることなく、そう言いながら下に降り、お母さんに夢の中のキミの事を話した。
また、キミが聞いているとも知らずに──。
“(私も、次にキミに会う時を楽しみに待ってるよ。
私の宿題を試してくれてありがとう。
まだ、大切なことをやる理由とかは言えないけど、キミが魔法を解けたら言うからね。
あの時、私を救ってくれてありがとうと。
そして、キミがあの時私を救ってくれたから、今、私はキミを助けることが出来ているよと言うからね。
結夢──)”
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「宿題、あんなに出すとか―――!?」
「ねえ!?
ほんとほんと!!」
あー。
宿題を出しすぎなだけで先生にそんなキレるなんて。
その先生の良いところが見えてないのかな?
あの先生も良いところがあるのに、勿体ないなー。
あれから、学校に着き、今は3時間目の後の10分の休み時間。
私は次の授業の準備をしていた。
私の席はベランダ側の1番後ろ。
そこに、クラスの子二人が私の席の後ろ、
自分達のロッカーでそんな話をしていた。
3時間目の授業で、明日から土日で休みだから、先生が宿題を多く出したんだ。
だから、私はこの機会を逆手にとり、キミからの宿題を試してみたんだ。
そしたら──
めちゃくちゃ楽!
楽しい!
ああ、ほんとにキミに感謝。
もちろん、文句を言っていたあの二人にも──。
そんなこんなで一日が過ぎた──。
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「おやすみー」
昨日と同じように自分の部屋に入った。
「寝ようっと!」
私はそう言ってベッドの中に入った。
「どうして、キミは私にたくさんの大切なことを教えてくれるんだろう?」
確かに、キミが言っていた事をすると、自分が綺麗になった気がするし、心が楽になる。
「たくさん感謝してる。」
でも、どうしてたくさん教えてくれるの?
「これも、聞かない方がいいかな。
でも、いつか、キミの事を知りたいな──」
そう言って私は眠りに落ちた──。
キミが聞いているとも知らずに──。
“(あー、そっちにも勘づいちゃった?
ほんとにキミは勘が鋭いね。
でも、キミの心が楽になっているなら、綺麗になっているなら、私も嬉しい。
あの時の君の心はボロボロに壊れていたから──。
それでもキミはあの時、無邪気な笑顔で私を助けてくれた。
私にはあの時からキミが光に見えたんだ。
キミは私に感謝しているって言ったね。
私もキミに感謝しているよ、ありがとう。
絶対に言うから。
キミに沢山の事を教えている理由も、昔あった事も全て──。
だから、その時に聞いてね、結夢──)”
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時は過ぎ、6月も、もうすぐで終わりを迎える。
そして今日は6月の満月の日。
今は、夜だ。
1か月前──5月の満月の日は、考え方をプラスに使う、というのを教わった。
今月は何を教えてくれるのか。
楽しみだ。
それに、キミに会えるのも楽しみなんだ。
なんだかキミに会うと、私の心は落ち着く。
それと同時に、私が忘れている何かがありそうな──。
私が、探し求めていたものが、やっと見つかったような──。
そんな気もする。
ま、気のせいかな。
忘れていることなんてないし。
私が探し求めているものなんてないし──。
でも、何でだろう・・・大切な気がする──。
私はそう思いながら夢の中へ落ちた──。
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“キミとここで会うのも6回目だね。
私との宿題、また試してくれてありがとう”
『ううん、こちらこそ、教えてくれてありがとう。
凄く私、心が楽になってる。
それに、楽しいから』
“・・・・・・そっか、なら良かった。
それじゃあ、本題に入ろうか。
今回もキミに大切なことを伝えに来たよ”
『3つ目だね』
“うん、3つ目。
じゃあ、3つ目の大切なこと言うよ?”
『うん』
“3つ目の大切なこと、それは──。
分身、だよ”
『分身?』
“そう、分身。
私が言う分身は、キミの一つ一つの性格の事”
『私の性格が分身なの?』
“例えば、キミは負けず嫌いはある?”
『うん』
“そしたら、負けず嫌いっていうのはキミの性格だよね?
その、負けず嫌いって言うキミの性格が、キミの分身なんだ。
他にも、素直だったり、気にしすぎだったり、プライドがあるだったり・・・。
色々なキミの分身があるんだよ”
『そっか、私の性格みんな、私の分身なんだ』
“そうだよ、分身。
だから、今月の宿題はキミの分身を探す事だよ”
『分かった、私の分身を探してくるね』
“ありがとう。
この事、お母さん達にも伝えてね”
『うん!』
“それじゃあ、またね。
次会うのを楽しみに待ってるよ。
またね──”
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ジリリリリリリリリリリ_______________。
ジリリ──カチッ。
「ん、
私の分身、探すんだ」
次会う時に、キミに私の分身はこれだよって言うからね。
私も楽しみに待ってるよ。
「よし!
下に降りて、お母さんにキミの話を言おう!」
私はそう言って下に降りて、お母さんにキミの話をした。
キミが聞いているとも知らずに──。
“(──キミが心が楽になったよって、楽しいよって言ってくれて、私、嬉しかった。
キミの笑顔が見れて、本当に良かった。
それにしても、変わらずキミの勘は鋭いね。
キミが思った、“忘れている何か”って言うのは、2ヶ月後に分かるから。
その他についても、2ヶ月後に分かるかもしれない・・・
たとえ分からなくても、キミが魔法を解いたら言うからね。
その時を楽しみに待ってるよ。
結夢──)”
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「行ってきます~!!」
「行ってらっしゃい!結夢!」
私は学校に行く支度をして、お母さんにそう言い、外へ出た。
今日は、3回目のキミからの宿題、私の分身を探すんだ。
私はそう思いながら歩を進めた。
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あっ!私の分身、みっけ!
今は3時間目が始まる前の休み時間。
次の授業の準備をしながら、またひとつ、私は分身を見つけた。
「「結夢~!
次の授業移動だから、一緒に行こう~!」」
分身を見つけたと同時に、咲月と星花が可愛い笑顔でそう言った。
「うん!行くー!」
私はそう返しながら、咲月と星花の元へ走った──。
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あれから、咲月と星花にもキミの話を全て話し、家に帰ってからはお父さんとお姉ちゃんに話した。
そして、今は午後9時半。
寝るところ。
今日だけでもいくつか分身が見つかった。
見つけた分身は、
・周りに気を使う。
・周りを見すぎる。
今のところは2つ。
これからも、どんどん見つけよう!
そう思いながら私は眠りに落ちた──。
“(結夢、私の宿題を試してくれてありがとう。
これからも、自分の分身を見つけてね。
私は結夢が楽しそうで嬉しいよ。
これからも、笑っていて。
たとえ、あの頃を思い出しても笑っていて──。
私は信じてるよ。
キミなら──結夢なら、あの頃の記憶が戻っても大丈夫だって──。
どうか笑って、結夢──)”
キミが、切なそうに私を見ているなんて知らずに──。
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あれから、約1か月後──。
今は、7月の終わり。
そして、今日は満月の日。
私は、今日まで、分身を初めて見つけた時と同様に、分身探しをしていた。
そして、見つけた分身も増えた。
前のもあわせると、
・周りに気を使う。
・周りを見すぎる。
・周りを気にする。
・なんでも溜め込む。
と、2つ増えた。
だから、今日キミにこの事を伝えるんだ。
そう思いながら私は夢の中へ落ちた──。
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“また会えて嬉しいよ”
『私も!
会えて嬉しい!』
“良かった。
私の宿題、どうだった?”
『分身だよね!
いくつか見つけたよ!
周りに気を使う、周りを見すぎる、周りを気にする、なんでも溜め込む。
この4個を見つけたよ』
“そっか。
そしたら、キミにとってその4個の分身は良いと思う?それとも、良くないと思う?”
『私は、周りを見すぎるって言うのと、周りを気にする、なんでも溜め込むって言うのが、良くない気がする』
“キミはそう捉えたんだね”
『うん』
“それじゃあ、ここで4つ目の大切なことを言うね”
『分かった』
“4つ目の大切なこと、それは──。
プラスとマイナス、だよ”
『プラスとマイナス?』
“そう、プラスとマイナス。
さっき、キミが言っていた事だけど、キミは、周りを見すぎるって言うのと、周りを気にするっていうのは、良くないと思ったんだよね?”
『うん、そうだよ』
“だけど、私にとっての周りを見すぎるって言うのは、あまりできないことで、私にとっての周りを気にするっていうのは、周りを見ながら行動しているからすごいと思った。
だからね、全てのキミの分身にはプラスとマイナスがあるんだ”
『全ての分身に──』
“そう。
だから、前にキミは素直じゃない、人を頼らない、自分の事を話さない、マイナス思考って言ったよね?”
『うん』
“あれは、素直の分身をマイナスを使った、頼る分身がない、自分の事を話す分身がない、思考をマイナスに使っているってことなんだ。
だから、分身の良いところを使って、ここは素直な分身、ここは頼る分身っていう感じて使い分けをしたりも出来るんだ。
人に対しても使えるんだよ。
今は、あの人は素直の分身かな?っていう感じ。
分かった?”
『うん!
プラスとマイナスっていうのは、分身全てに良いところ、良くないところがある事で、分身の良いところを使って、分身自体を使い分けたりも出来る。
そして、これは人に対しても使える。
これであってるかな?』
“うん、あってるよ
だから、今月の宿題はプラスとマイナス”
『わかった!
やってみる!
次会う時に、報告するね!』
“うん、報告して。
あと、この事お母さん達にも伝えてね。
それじゃあ、またね。
次会う時を楽しみに待ってるよ。
またね──”
〈コメント〉
こんにちは、カナリヤです。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
ここからは、前回と同様、私のコメントを書かさせて頂きます。
今週の土曜日、私は、通っている施設の行事に参加しました。
行事の内容は、施設からある山を目標に、18km歩くと言う内容です。
無事に、私は歩ききり、山の頂上に辿り着くことが出来ました。
山を登っている最中に、1度だけ木々が抜けている場所があり、そこから辺りの景色を見渡すことが出来ました。
自分自身の足で歩いたからなのか、とても達成感があり、最後までやりきると、こんなにも気持ちがいいものなのかと気付きました。
最後までやりきると気持ちがいい、と言うのは、何度か耳にしましたが、百聞は一見にしかずで、自分自身でやらないと分かりませんでした。
相手の意見ばかり聞くのではなく、時には、相手の意見を自分自信で試してみるのも大切なのかもしれません。
最後に、私のコメントにつきあって頂き、ありがとうございました。
長々と書いてしまい、申し訳ありませんでした。