満月の夢の魔法⑨

_______________ ジリリリリリリリリリリ_______________。 ジリリ──カチッ。 「ん、」 そうだ、今回の宿題は考え方。 今日からやってみよう! 下に降りて、お母さん達にも言おう! 「私もキミに会う時を楽しみに待ってるよ──」 前回と同じように、私は目の前が暗くなることなく、そう言いながら下に降り、お母さんに夢の中のキミの事を話した。 また、キミが聞いているとも知らずに──。 “(私も、次にキミに会う時を楽しみに待ってるよ。 私の宿題を試してくれてありがとう。 まだ、大切なことをやる理由とかは言えないけど、キミが魔法を解けたら言うからね。 あの時、私を救ってくれてありがとうと。 そして、キミがあの時私を救ってくれたから、今、私はキミを助けることが出来ているよと言うからね。 結夢──)” _______________ 「宿題、あんなに出すとか―――!?」 「ねえ!? ほんとほんと!!」 あー。 宿題を出しすぎなだけで先生にそんなキレるなんて。 その先生の良いところが見えてないのかな? あの先生も良いところがあるのに、勿体ないなー。 あれから、学校に着き、今は3時間目の後の10分の休み時間。 私は次の授業の準備をしていた。 私の席はベランダ側の1番後ろ。 そこに、クラスの子二人が私の席の後ろ、 自分達のロッカーでそんな話をしていた。 3時間目の授業で、明日から土日で休みだから、先生が宿題を多く出したんだ。 だから、私はこの機会を逆手にとり、キミからの宿題を試してみたんだ。 そしたら── めちゃくちゃ楽! 楽しい! ああ、ほんとにキミに感謝。 もちろん、文句を言っていたあの二人にも──。 そんなこんなで一日が過ぎた──。 _______________ 「おやすみー」 昨日と同じように自分の部屋に入った。 「寝ようっと!」 私はそう言ってベッドの中に入った。 「どうして、キミは私にたくさんの大切なことを教えてくれるんだろう?」 確かに、キミが言っていた事をすると、自分が綺麗になった気がするし、心が楽になる。 「たくさん感謝してる。」 でも、どうしてたくさん教えてくれるの? 「これも、聞かない方がいいかな。 でも、いつか、キミの事を知りたいな──」 そう言って私は眠りに落ちた──。 キミが聞いているとも知らずに──。 “(あー、そっちにも勘づいちゃった? ほんとにキミは勘が鋭いね。 でも、キミの心が楽になっているなら、綺麗になっているなら、私も嬉しい。 あの時の君の心はボロボロに壊れていたから──。 それでもキミはあの時、無邪気な笑顔で私を助けてくれた。 私にはあの時からキミが光に見えたんだ。 キミは私に感謝しているって言ったね。 私もキミに感謝しているよ、ありがとう。 絶対に言うから。 キミに沢山の事を教えている理由も、昔あった事も全て──。 だから、その時に聞いてね、結夢──)” _______________ 時は過ぎ、6月も、もうすぐで終わりを迎える。 そして今日は6月の満月の日。 今は、夜だ。 1か月前──5月の満月の日は、考え方をプラスに使う、というのを教わった。 今月は何を教えてくれるのか。 楽しみだ。 それに、キミに会えるのも楽しみなんだ。 なんだかキミに会うと、私の心は落ち着く。 それと同時に、私が忘れている何かがありそうな──。 私が、探し求めていたものが、やっと見つかったような──。 そんな気もする。 ま、気のせいかな。 忘れていることなんてないし。 私が探し求めているものなんてないし──。 でも、何でだろう・・・大切な気がする──。 私はそう思いながら夢の中へ落ちた──。 _______________ “キミとここで会うのも6回目だね。 私との宿題、また試してくれてありがとう” 『ううん、こちらこそ、教えてくれてありがとう。 凄く私、心が楽になってる。 それに、楽しいから』 “・・・・・・そっか、なら良かった。 それじゃあ、本題に入ろうか。 今回もキミに大切なことを伝えに来たよ” 『3つ目だね』 “うん、3つ目。 じゃあ、3つ目の大切なこと言うよ?” 『うん』 “3つ目の大切なこと、それは──。 分身、だよ” 『分身?』 “そう、分身。 私が言う分身は、キミの一つ一つの性格の事” 『私の性格が分身なの?』 “例えば、キミは負けず嫌いはある?” 『うん』 “そしたら、負けず嫌いっていうのはキミの性格だよね? その、負けず嫌いって言うキミの性格が、キミの分身なんだ。 他にも、素直だったり、気にしすぎだったり、プライドがあるだったり・・・。 色々なキミの分身があるんだよ” 『そっか、私の性格みんな、私の分身なんだ』 “そうだよ、分身。 だから、今月の宿題はキミの分身を探す事だよ” 『分かった、私の分身を探してくるね』 “ありがとう。 この事、お母さん達にも伝えてね” 『うん!』 “それじゃあ、またね。 次会うのを楽しみに待ってるよ。 またね──” _______________ ジリリリリリリリリリリ_______________。 ジリリ──カチッ。 「ん、 私の分身、探すんだ」 次会う時に、キミに私の分身はこれだよって言うからね。 私も楽しみに待ってるよ。 「よし! 下に降りて、お母さんにキミの話を言おう!」 私はそう言って下に降りて、お母さんにキミの話をした。 キミが聞いているとも知らずに──。 “(──キミが心が楽になったよって、楽しいよって言ってくれて、私、嬉しかった。 キミの笑顔が見れて、本当に良かった。 それにしても、変わらずキミの勘は鋭いね。 キミが思った、“忘れている何か”って言うのは、2ヶ月後に分かるから。 その他についても、2ヶ月後に分かるかもしれない・・・ たとえ分からなくても、キミが魔法を解いたら言うからね。 その時を楽しみに待ってるよ。 結夢──)” _______________ 「行ってきます~!!」 「行ってらっしゃい!結夢!」 私は学校に行く支度をして、お母さんにそう言い、外へ出た。 今日は、3回目のキミからの宿題、私の分身を探すんだ。 私はそう思いながら歩を進めた。 _______________ あっ!私の分身、みっけ! 今は3時間目が始まる前の休み時間。 次の授業の準備をしながら、またひとつ、私は分身を見つけた。 「「結夢~! 次の授業移動だから、一緒に行こう~!」」 分身を見つけたと同時に、咲月と星花が可愛い笑顔でそう言った。 「うん!行くー!」 私はそう返しながら、咲月と星花の元へ走った──。 _______________ あれから、咲月と星花にもキミの話を全て話し、家に帰ってからはお父さんとお姉ちゃんに話した。 そして、今は午後9時半。 寝るところ。 今日だけでもいくつか分身が見つかった。 見つけた分身は、 ・周りに気を使う。 ・周りを見すぎる。 今のところは2つ。 これからも、どんどん見つけよう! そう思いながら私は眠りに落ちた──。 “(結夢、私の宿題を試してくれてありがとう。 これからも、自分の分身を見つけてね。 私は結夢が楽しそうで嬉しいよ。 これからも、笑っていて。 たとえ、あの頃を思い出しても笑っていて──。 私は信じてるよ。 キミなら──結夢なら、あの頃の記憶が戻っても大丈夫だって──。 どうか笑って、結夢──)” キミが、切なそうに私を見ているなんて知らずに──。 _______________ あれから、約1か月後──。 今は、7月の終わり。 そして、今日は満月の日。 私は、今日まで、分身を初めて見つけた時と同様に、分身探しをしていた。 そして、見つけた分身も増えた。 前のもあわせると、 ・周りに気を使う。 ・周りを見すぎる。 ・周りを気にする。 ・なんでも溜め込む。 と、2つ増えた。 だから、今日キミにこの事を伝えるんだ。 そう思いながら私は夢の中へ落ちた──。 _______________ “また会えて嬉しいよ” 『私も! 会えて嬉しい!』 “良かった。 私の宿題、どうだった?” 『分身だよね! いくつか見つけたよ! 周りに気を使う、周りを見すぎる、周りを気にする、なんでも溜め込む。 この4個を見つけたよ』 “そっか。 そしたら、キミにとってその4個の分身は良いと思う?それとも、良くないと思う?” 『私は、周りを見すぎるって言うのと、周りを気にする、なんでも溜め込むって言うのが、良くない気がする』 “キミはそう捉えたんだね” 『うん』 “それじゃあ、ここで4つ目の大切なことを言うね” 『分かった』 “4つ目の大切なこと、それは──。 プラスとマイナス、だよ” 『プラスとマイナス?』 “そう、プラスとマイナス。 さっき、キミが言っていた事だけど、キミは、周りを見すぎるって言うのと、周りを気にするっていうのは、良くないと思ったんだよね?” 『うん、そうだよ』 “だけど、私にとっての周りを見すぎるって言うのは、あまりできないことで、私にとっての周りを気にするっていうのは、周りを見ながら行動しているからすごいと思った。 だからね、全てのキミの分身にはプラスとマイナスがあるんだ” 『全ての分身に──』 “そう。 だから、前にキミは素直じゃない、人を頼らない、自分の事を話さない、マイナス思考って言ったよね?” 『うん』 “あれは、素直の分身をマイナスを使った、頼る分身がない、自分の事を話す分身がない、思考をマイナスに使っているってことなんだ。 だから、分身の良いところを使って、ここは素直な分身、ここは頼る分身っていう感じて使い分けをしたりも出来るんだ。 人に対しても使えるんだよ。 今は、あの人は素直の分身かな?っていう感じ。 分かった?” 『うん! プラスとマイナスっていうのは、分身全てに良いところ、良くないところがある事で、分身の良いところを使って、分身自体を使い分けたりも出来る。 そして、これは人に対しても使える。 これであってるかな?』 “うん、あってるよ だから、今月の宿題はプラスとマイナス” 『わかった! やってみる! 次会う時に、報告するね!』 “うん、報告して。 あと、この事お母さん達にも伝えてね。 それじゃあ、またね。 次会う時を楽しみに待ってるよ。 またね──” 〈コメント〉 こんにちは、カナリヤです。 ここまで読んで頂き、ありがとうございます。 ここからは、前回と同様、私のコメントを書かさせて頂きます。 今週の土曜日、私は、通っている施設の行事に参加しました。 行事の内容は、施設からある山を目標に、18km歩くと言う内容です。 無事に、私は歩ききり、山の頂上に辿り着くことが出来ました。 山を登っている最中に、1度だけ木々が抜けている場所があり、そこから辺りの景色を見渡すことが出来ました。 自分自身の足で歩いたからなのか、とても達成感があり、最後までやりきると、こんなにも気持ちがいいものなのかと気付きました。 最後までやりきると気持ちがいい、と言うのは、何度か耳にしましたが、百聞は一見にしかずで、自分自身でやらないと分かりませんでした。 相手の意見ばかり聞くのではなく、時には、相手の意見を自分自信で試してみるのも大切なのかもしれません。 最後に、私のコメントにつきあって頂き、ありがとうございました。 長々と書いてしまい、申し訳ありませんでした。

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