満月の夢の魔法⑪

「結夢、おかえ──」 「外であそんでくる!」 小さい私は家に入ってすぐにお母さんにそう言い、カバンをリビングに置いて、部屋を出た。 あれ? これ、初めて私がお母さんに本音を言った時? お母さんが言っていた光景とすごく似てる。 「え!?結夢!? お母さんも一緒に行こうか!?」 お母さんは小さい私の言動に驚きつつも、小さい私の後を追いかけそう言った。 「ううん!1人であそんでくる!! 17時にはかえるから!」 小さい私はそう言って、外へ出た。 うん。 やっぱりこれ、お母さんが言っていた事だ。 そしたら、これは本当に私の幼稚園の記憶なんだ──。 小さい私は家に出てから泣いている女の子に声をかけた。 「よかったら、私といっしょにあそばない?」 「うん!あぞふ!!」 いつの間にか、泣いている女の子は泣き止んでいて、小さい私の問いかけに満面の笑みで答えた。 「それじゃあ、ちかくにこうえんがあるから、そこに行かない?」 小さい私は女の子の前にしゃがんで手を握る。 「行く!」 女の子も小さい私の手を握り返した。 「じゃあ、行こう! 立てる?」 「うん!」 2人は手を握ったまま立ち上がり、公園がある方向へ歩きだした。 私は、2人の後を追う。 「はなしかけてくれてありがとう!えっと?」 「ゆめだよ! 私のなまえは、よつき ゆめ!」 「! ゆめちゃん!! わたしは、よぞら まゆ!」 まゆ・・・。 魔結(まゆ)? なんでだろう、まゆって聞いたらこの漢字が浮かんできた。 それに、この漢字で間違っている気がしない。 なんだか、懐かしい気持ちになる──。 「! まゆちゃん!」 私が不思議に思っていても、夢はどんどん先に進んでいく。 「ゆめちゃん!! 私のこと、まゆってよんで?」 「! いいの? まゆ! 私のことも、ゆめってよんで?」 「うん!! ゆめ!! ゆめはなんさい?」 「3さい! でも、らいげつのたんじょうびの2月15日で4さいだよ!」 「! おないどしだ! 私は、もう4さいになったよ!」 「そうなの? おないどし、うれしい!」 ここまで会話が止まることは無かったのに、2人の間に沈黙が流れた。 そんな沈黙を破ったのは、 「ねえ、ゆめ?」 魔結だった。 でも、魔結の様子がなんだか可笑しい。 「なに?まゆ?」 小さい私は、魔結の変化に気付きながらも、さっきと変わらぬように返事をした。 「私ね、さっき泣いてたのはね、りゆうがあるんだ。 はなしていいかな?」 魔結は不安そうに小さい私を見つめる。 「もちろん」 そんな魔結を安心させるように、小さい私は魔結の目をしっかり見ながら言う。 「じつはね、ようちえんの先生と、同じくみのみんなと、ここまであそびに来てたの。 それで、同じくみのみんなができることを、私、できなかったの・・・。 だから、それをできるようにしたくて、れんしゅうしてたら、みんなとはぐれちゃったの そしたら、なみだが出てきちゃって・・・」 そういう事だったのか──。 でも、魔結なら絶対出来るようになるよ。 そんな私の心の呟きを聞いていたかのように、小さい私は魔結の目を真っ直ぐ見て言った。 「・・・そうだったの。 ──ねえ?まゆ。 私ね、どんなまゆでもすき! 今できなかったとしても、まゆならだいじょうぶだよ!」 「どうして?」 「まゆは今、そのことを私にはなしてくれたでしょ? それだけで、まゆは変わったから! それだけで、まゆはどりょくしてるから! だから、まゆならぜったいできるようになるよ!」 繋いでいる魔結の手をぎゅっと強く、でも優しく握りながら小さい私は満面の笑みで言い切った。 そんな小さい私を見て、私は心の中で思わず笑った。 こんなにも言葉が被るとは──。 やっぱり小さい私は私なんだな──。 「ゆめ・・・。 ありがとう!! ゆめはやさしいね! 私もどんなゆめでもすき! だからゆめも、なにがあってもだいじょうぶだよ! 私は、ほんとうのゆめがいちばんすきだから!」 魔結は輝く笑顔でそう言って、小さい私の手を強く、でも優しく握り返した。 小さい私は魔結の言葉に驚いた表情をしていた。 だけど、それも段々と笑顔に変わり、安心したような表情になった。 まるで、魔結になら本当の私を見せていいかのように──。 「まゆ・・・。 私のはなし、きいてくれる?」 “話” それは、私が知りたかった私の過去の事? 「もちろん!」 不安そうにする小さい私に真剣に頷く魔結。 そんな魔結を見て、小さい私はほっとしたようにして話し始めた。 「・・・私ね、今すごくつかれるんだ。 たいりょくの方じゃなくて、こころの方が・・・。 でもそれは、じぶんがまわりを見すぎてるだけなんだけどね。 なんだか、じぶんのほんねを言ったらいけないきがするんだ」 その小さい私の話で、私は幼稚園の事を全て思い出した。 幼稚園の頃の私の心はボロボロだった。 相手が笑顔になるように、悲しい顔をしないように、いつも相手のことを優先して、自分の事を後回しにし、どんな時でも自分の本音は言わないでいた。 自分の本音を言って相手を傷つかせたくなかったから。 相手に不快な思いをさせたくなかったから。 結局、幼稚園の私の心はボロボロになった。 自分で自分をボロボロにした。 だけど、相手が笑顔になると私も嬉しかった。 私も少し笑顔になれた。 だから、押し殺した自分の思いに、ボロボロの私の心にカギをかけた。 もう二度と開かないように。 頑丈にカギをかけた。 そして、小学生になった私には、ボロボロの心はなくなり幼稚園の記憶もなくなった。 私の中に、素直や人を頼るという事も芽生えることはなかった。 だけど、咲月や星花と出会え、中1の1月、キミに会えた。 今だから言える。 人を頼っていいって。 素直になっていいって。 素直に自分の思いを言うだけで、相手は不快な思いにならないよって。 本音は悪いことだけじゃないって。 本音にも良いことがあるんだよって。 大丈夫だよって、言える。 ──分かったよ。 キミが、私の過去が大切なことって言った意味。 それは、前の私に流されないことを。 前の私で学ぶことを。 過去に何があっても自分が変わるだけで良いことに変わるってことを伝えるため──。 そして、人を頼っていいって。 素直になっていいって。 本音を押し殺さなくていいって。 本音にも、心にも、カギをかけなくていいって教わること──。 そういう事なんだね。 ありがとう、分かったよ──。 そう思っていた時、小さい私の話を聞いた魔結が言った。 「ゆめ、今のゆめはここにいる。 なにがあっても今のゆめはここにいる。 でも、今だけじゃなくてみらいもある」 「うん」 「かこがあったらみらいがある。 さっきゆめは私にはなしてくれたでしょ? ゆうきをもって、私にはなしてくれたでしょ? それだけでゆめは、1歩みらいにすすんでいるんだよ! 今のゆめなら変われる。 今のゆめならできる。 だから、ゆめのみらいはかがやいてるよ!」 私はこの魔結の言葉が、夢の中で言ったキミの言葉に重なった。 “今のキミはここにいるから。 何があってもキミはここにいるから──。 過去があったら未来がある。 キミの未来は輝いているよ。 今のキミなら出来るよ” なんだろう、たくさんあった点が1つの線になりそうな──。 ──あ。 そっか、そういう事だったんだ──。 「! ありがとう!! まゆは私のひかりだね!」 私の中で、たくさんあった‪点が一つの線になった時、小さい私は魔結に満面の笑みを向けた。 「私のひかりはゆめだよ!!」 そう言った魔結も小さい私に満面の笑みを向け、2人は笑いあった──。 ✩ 魔法の理由と解き方と魔法使いと _______________ チュンチュン──。 「ん、」 私は記憶の夢から目が覚めた。 やっぱり、あれは私の幼稚園の本当の記憶で、夢の中で思い出したんだ。 でも、おかげで分かったよ。 魔法の理由が。 それは──。 ──私だね。 幼稚園の頃から私は勘が鋭いため、周りを見たら相手の思っていることが分かってしまった。 そして、本音の良いことを知らず、相手が笑顔ならそれでいい。相手を傷つけたくない。そう思ったから、相手を優先し、自分の事を後回しにした。 だけど、幼稚園の私には荷が重くて、心がボロボロになった──。 そして、幼稚園の私はボロボロの心にカギをかけて、記憶を消したんだ。 もう二度と出てこないように──。 でも、そんな私に、素直に自分の本音を言っていいと、人を頼っていいと、本音にも良いことがあると伝えるために魔法がかかった。 これが理由だ。 そして、魔法をかけた人物は──。 ──魔結だ。 魔結とは、中1の1月に再開していたんだ。 夢の中で会える”キミ”として──。 だから、キミ──魔結は私に”私はキミの知り合いの代理”そう言って自分の正体を隠したんだね。 私が幼稚園の記憶がないことを知っているから。 自分が私に魔法をかけたと知られないために。 そして、私が自分で解決出来るように。 だから、魔結は夢の中で帽子を被って顔を隠していたんだね。 夢から覚めてもずっと私を見守ってくれていたんだね。 私は夢の中以外では魔結に会えなかったんだね。 魔結、気付けなくて、思い出せなくてごめんね。 私にたくさんの事を教えてくれてありがとう──。 魔結は私に正体を知られたくないはずだから、夢の中で魔結に会っても、魔結の正体の事は言わない。 私は、幼稚園の記憶が戻った事と、魔法の理由が分かったことだけ言う。 私は魔結が自分から自分の正体を言ってくれるのを待つよ。 魔結が私を待ってくれていた分、私も待つよ。 魔法をかけた理由は私に素直になっていいと、人を頼っていいと伝えるため。 だから、魔法の解き方は──。 私が、本音の良いことを知って、ボロボロだった心が綺麗になる。 これが本当の魔法の解き方だろう。 私なら出来る。 今みたいに本音のプラスを使って、何があっても流されない! 今の私はここにいるから。 過去があったら未来があるから──。 大丈夫。 「よし! そろそろ下に降り──って、あれ?」 今日は夢の中で魔結と会っていない日なのに、目の前が暗くなってない? どうして? 起きてから色々考えてたから結構時間経ってるはずなのに──。 あっ! もしかして、魔法が解けてきて──! “おめでとう──” 「え、その声、まゅ──」 魔法が解けてきたのと考えていたら、魔結らしい声が聞こえた。 私は魔結が近くにいるかを確かめようと、辺りを見回した。 その時──。 キラッ! ピカッ! 部屋中に金色の光が輝き、夢の中で魔結から貰った銀色のカギが、下から徐々に“金色”に染まっていった。 そして──。 カギの真ん中、途中まで金色に染まった。 カサッ──! そんな音がベッド横のテーブルの方から聞こえ、そっちに目を向ければ──。 テーブルの上には2つ折りにしてある1枚のカードが置いてあった。 「このカードなんだろう?」 そう言い、私は2つ折りになっているカードを手に取り、開いた。 カードには文字が書かれていた。 †⌒*+*⌒††⌒*+*⌒††⌒*+*⌒††⌒*+*⌒† 結夢、おめでとう。 私が最初に言った、“カギを肌身離さず持っていて”という約束、守ってくれてありがとう。 結夢が約束を守ってくれたから、銀色だったカギは、途中まで金色に変わったんだよ。 それで、金色に変わっていった理由は──。 結夢が楽しみにしている“9回目の満月の日”に話すから。 その日を楽しみに待っているよ──。 またね! 魔法使いより。 †⌒*+*⌒††⌒*+*⌒††⌒*+*⌒††⌒*+*⌒† 「魔法使いって、9回目の満月の日にって、これって──」 魔結・・・!? カギの話は”9回目の満月の日に”か──。 分かった、私もその日を楽しみに待っているよ──。 私はそう言い、カギ穴に紐を通し、ブレスレット状にして手首にかけているカギを手に取った。 そして、窓の外に映る綺麗な青空に、私はカギをかかげ願った。 “全ての謎が解けるように”と──。 ✩9回目の満月の夜 _______________ 「今日、詳しい話が聞ける 私が言った、魔法の理由と本当の魔法の解き方があっているのか、カギの色が変わっとこと、過去を思い出したこと──全てが分かるんだ」 あれから時は過ぎ、今日は9月の満月の日。 丁度今日からお彼岸で、今日、明日、明後日は休み。 だから、夢の中で話し込んでも大丈夫。 そう思いながら、私は窓の外に目を向け。 「今日も綺麗な満月だ──」 そう呟いて私は夢の中へ落ちた──。 _______________ “カギの色が変わってきたね。 おめでとう” 『ありがとう。 それと、実は私キミに話したい事があるから、カギの説明を聞いた後に話してもいいかな?』 “うん、いいよ。 私も話したい事もあるからカギの説明と一緒に話すね” 『分かった。 ありがとう』 “こちらこそありがとう。 じゃあ早速カギの説明をするね” 『うん!』 “まず、この前まで銀色だったカギが、途中まで金色に変わったよね?” 『うん、変わったよ』 “それは、キミの魔法が解けてきている証拠だよ” 『そうなの?』 “うん。 キミの魔法が解けていくと、徐々にカギの金色の部分が増えていく仕組みなんだ。 だけど、私が最初にキミに言った”肌身離さず持っていて”、”他の人に触らせてはいけない”この約束を守らなかったらカギは金色にはならないんだ。 たとえ魔法が解けていっても、約束を守らなかったらカギは銀色のまま” 『そうなんだ。 だからキミは、あの時何回も私に言ったんだね』 “うん、そう。 これでとりあえず、カギの説明は終わったけど、何か聞きたいことある?” 『聞きたいことはないから、キミが私に伝えたい事を話して?』 “分かった、ありがとう。 それじゃあ、私がキミに伝えたい事を話すね” 『うん!』 “まず最初に、私の約束を守ってくれてありがとう。 そのおかげで、カギは金色に染まってきているよ。 だから、キミの魔法は解けてきている。 おめでとう。 これが私が伝えたかったこと” 『そっか──。 ありがとう! 他に私に伝えたい事は無い? 無かったら、私もキミに伝えたい事があるから話したいんだけど』 “もう無いよ だから、キミの話を聞かせて?” 『分かった、ありがとう。 それじゃあ話すね』 “うん” 『まず最初に──幼稚園の記憶、全て思い出したよ』 “・・・思い出したんだね──” 『うん、思い出せた。 ・・・私の過去、話していいかな?』 “もちろん。 ・・・聞かせて?” 『ありがとう──。 私は幼稚園の頃、勘が鋭くて、相手の気持ちが何でもかんでも分かってしまったんだ。 それで周りを見すぎて、自分の心を自分でボロボロにしたんだ』 “うん・・・” 『だけど私は、相手の笑顔を見ると嬉しくて、逆に相手が傷つくのと、相手が不快な思いをするのは嫌だった』 “うん・・・” 『本音の良いことを知らなくて、本音の出し方も分からなかった。 だから、幼稚園生の私は自分の心にカギをかけて記憶を消したんだ。 これが、私の中に幼稚園の記憶がなかった理由』 “そっか・・・” 『うん。 でもね、幼稚園の私の、冷えきったボロボロの心の中にも、暖かい陽だまりのような心もあったんだ』 “・・・え” 『それは、幼稚園の年中の1月にあった女の子──。 ──魔結のおかげ』 “っ!” 『私にとって魔結は光なんだ。 輝く光──』 “・・・・・・” 『そして、ここからが私が話したかった事なんだけど・・・。 きっと魔結は、私に素直になっていいと、人を頼っていいと、私に色々な事を教えるために魔法をかけたと思うんだ ・・・・・・だからキミは、魔結の代理なんだよね?』 “っ” 『・・・だから、私が幼稚園の記憶を思い出して、素直になっていいと、人を頼っていいと気付いたから魔法が解けてきたと思うんだ。 でも・・・まだ解けきれてないってことは、まだ解く何かがあるからだよね──?』 “・・・・・・そこまで分かっていたんだね。 そうだよ。キミの言った通り、まだ解く何かあるから魔法は解けきれてないんだ” 『その”解く何か”は何?』 “それは──。 未来、だよ” 『未来──? それをクリアすれば私の魔法は完全に解けるの?』 “うん、解けるよ 未来をクリアするための方法を伝えるね” 『うん、お願い』 “実は、未来をクリアするためには、“カギのもう1つの仕掛け”が関わっているんだ” 『カギのもう1つの仕掛け・・・』 “そう。 その、カギのもう1つの仕掛けは──。 カギを開ける、こと” 『カギ“を”開ける?』 “そう、カギ“を”開けるんだ。 説明するね” 『うん』 “カギを開けるって言うのは、カギ全体を金色にしないといけないんだ。 だから、カギを開けたら、カギ全体が金色になるんだ” 『そういう事なんだ──』 “そう。 それで、カギを開けるための方法は──。 ──本当のキミが笑顔・・・心からのキミの笑顔だよ” 『私の心からの笑顔で・・・。 でも、どうして私の笑顔と未来が関係するの?』 “それは・・・魔結が私に言っていたから──” 『・・・何を言っていたの?』 “・・・私が代理を頼まれた時に──。 “私は結夢に魔法をかけた。 魔法の解き方は、結夢が心から笑うこと。 これにした理由は、私は結夢が心から笑っている笑顔を幼稚園の頃からずっと見たかったから。 それに、結夢の心から笑っている顔を見れたら、結夢の未来は大丈夫って思ったから。” そう言っていた──” 『・・・・・・』 “・・・だから、キミが心から笑っている顔を見せたら、未来はクリアになり、カギは開くよ。 そうすれば、カギは全部金色に染まり、キミの魔法は解ける──。 魔結は望んでいるんだ。 キミがこれからも笑っていることを──” 『────』 “・・・さ、私はそろそろ行くね。 もう一度言っておくよ。 魔結は、キミの笑顔を見たかったんだ。 それは、今も変わらない。 だから、心からの笑顔を見せてね” 『ねえ? 私からも1つだけ言わせて? 私も、魔結の笑顔を見たい!』 “!” 『私も同じ気持ちだよ! それと、気づけなくて、思い出せなくてごめんね。 たくさん教えてくれて、たくさん待ってくれて、たくさん見守ってくれてありがとう──。 ──って、魔結に伝えてくれないかな?』 “・・・・・・分かった。 魔結に伝えておくね。 それじゃあ、またね。 次会うのを楽しみに待っているよ。 またね──” ✩カギを開けよう _______________ 「ん、」 私は夢から覚め、ベッドの上で夢の中のキミは魔結だと確信した。 ああ、やっぱりキミの正体は魔結だったんだね・・・。 夢の中で、魔結が”私が代理を頼まれた時に──”って言った時と、私が魔結に伝えて欲しいと言った言葉を聞いた魔結は、嬉しいような、切ないようなそんな顔をしていた。 帽子をかぶっていてもバレバレだよ・・・。 だけど、私から魔結の事は言えないから──。 魔結と初めてあった幼稚園のあの日──。 魔結は、私がお母さんを呼ぼうとしたら、必死に止めていた。 バレたくなかったんだよね。 人間に──。 だから、言わないよ、私からは。 魔結が言ってくれるのを待ってるよ──。 “(結夢──。 本当にキミの勘は凄いよ。 だけど、まだ言えないよ・・・。 キミがカギを開けたら、私がキミに本当に伝えたかったことを伝えたら、私は言うよ。 私は──。 ──キミが言っていた女の子、魔結だと言うことを。 そして、魔法使いだと言うことを──。 私が幼稚園の時の事を──。 私の中で結夢は、大切で、大好きな“親友”だと言う事を──)” 「魔結、ありがとう。 魔結は、私の──。 ──大切で大好きな“親友”だよ」 私は、魔結が近くにいるなんて知らず、自然に心から笑い、そう呟いた。 そして──。 キラッ! ピカッ! カギが光り輝いた──。 “(! あれって! 結夢の心からの笑顔──!) 結夢、おめでとう──” 「魔結の声──? ! カギが開いた──」 魔結の声がしたと思いながらカギを見たら、カギの中央部分から徐々に金色に染まっていき、ついに、1番上──三日月の部分まで金色に染まった。 そしたら、三日月の形が綺麗な満月の形へ変わった。 満月の部分は、今まではなかった2つ折りになっていて、開けるようになっていた。 私は満月の部分を開いてみた。 すると、開いた先には、一枚の写真と、文字、そして、星型の小さなボタンがあった。 「この写真って──。 幼稚園の私と・・・幼稚園の魔結──」 そう、写真には幼稚園の私と幼稚園の魔結が写っていた。 その近くには──。 《この星型のボタンを押してね》 そう書かれていた。 私は文字に書かれている通り、星型のボタンを押した。 そしたら──。 「わっ!」 カギの満月の開いている部分から光が出て、文字がスクリーンのように映し出された。 《これを読んでいるって事は、心からの笑顔でカギを開けられたんだね。 結夢の魔法は完全に解かれたよ。 おめでとう。 それと、ありがとう。 幼稚園のあの日、迷子になった私を助けてくれて、私の大切な親友になってくれて。 結夢は、私にとって大切な親友だよ。 このこと、忘れないでね。 また会おうね! 魔結》 そう、映し出されていた。 「魔結、私こそありがとう。 たくさんの事を教えてくれて──。 私にとっても魔結は、私の大切な親友だよ──。 絶対、また会おう──」 私はそう言って窓の外の綺麗な青空に“魔結にまた会えるように”と願った──。 ✩10回目の満月の夜 _______________ あれから1か月が過ぎ、今日は10月31日、ハロウィンだ。 そして、今日は魔結にあえる満月の日。 次の日は幸い休み。 魔結と喋りすぎても、朝の時間を気にしなくてすむ。 色々なことが一気に起こったから、聞きたいことがたくさんあるから。 カギの事とか、カギから出た文字についてとか・・・。 魔結に会うのが楽しみ。 そう思いながら私は夢の中へ落ちた──。 _______________ “魔法を解くことが出来たんだね。 おめでとう” 『ありがとう』 “私は今日、キミに初めて会った時から伝えたかったことを言いに来たんだ” 『それって?』 “それは──。 キミに“ありのまま”でいてほしいって言うこと” 『!』 “幼稚園頃のキミは、自分の事を言わず、自分の思いを隠し続けていた。 でもこれからは、自分の事を隠さないで、自分のありのままでいて。 私は1番、ありのままのキミが好きだから。 ありのままのキミを見ている人は近くにいるから。 1人じゃないよ──。 これを伝えたかったんだ” 『・・・・・・ありがとう。 私も、ありのままのキミが1番好き! だから、キミもありのままでいていいんだよ。 たとえ、キミがなんて言おうと、私はキミのありのままが大好きだから。 いつまでも待ち続けるよ──』 “──ほんとにキミは昔から勘が鋭いね。 私が言いたいことにも、気付いてるんじゃないかな?” 『私は、キミの言葉で聞きたいよ。 たとえ、キミが言いたいことに私が気づいていたとしても、私は、キミが言うのを待ってるよ──』 “・・・昔と変わらないね、キミの優しいところ──” パサッ──。 “ね、結夢──” 『(魔結が帽子を取ってくれた・・・。 今の魔結の素顔を見るのは、久しぶりだね)』 “私は、魔結。 真実を話すね” 『うん』 “私は魔法使い。 私が結夢に魔法をかけたの。 だから、魔結の代理って言うのは嘘。 嘘ついてごめんね──” 『────』 “結夢が私に話しかけてくれたあの日。 実は私、たまたま魔法の世界の幼稚園から、勉強として、幼稚園の先生と同じクラスの子達と人間界に来てたの” 『そうだったんだ』 “うん。 それで、人間に見えないようにする魔法を使って、見つからないようにするんだけど、私、その魔法が苦手だったの。 今は、得意になったけどね” 『そうだったんだ・・・』 “そう。 それで、どうしても出来なくて練習してた皆とはぐれたの。 どうしようって思った。 だけど、結夢が私に話しかけてくれた” 『っ・・・・・・』 “本当はバレたらいけないけど、あの時の私は結夢の言葉が嬉しかったの。 どんな私でも好きって、私なら出来るようになるって──。 凄く嬉しかった” 『・・・・・・』 “それでその後、結夢は無理矢理作った笑顔で私に自分の心情を言ってくれた。 その時私は、結夢の心を魔法で読んだ。 そしたら、結夢の心は言い表せないほどボロボロで、壊れてしまいそうだった。 私はそれを見て、結夢の心を綺麗にして、結夢の心からの笑顔を見たいと思ったんだ” 『っ──』 “もう、愛想笑いなんてしてほしくないから。 自分のために笑って欲しかったから。 自分を大切にして欲しかったから。 それで、私は魔法をかけたんだ” 『!』 “今から10年後──私達が中学生になったら結夢に魔法の解き方のヒントを教えるつもりで。 どうして10年後にしたのかは、3つ理由があるんだ” 『3つ・・・』 “そう。 1つ目は、魔法のヒントを教える時に、中学の時の方が理解が早いと思ったから。 幼稚園であの勘の鋭さだったから、中学になったらもっと勘が鋭くなっていると思ったから” 『なるほど──』 “2つ目は、これは私の生まれた世界の都合上なんだけど・・・。 私の生まれた世界──魔法の世界は、生まれた時から2歳までは人間界に行けないんだ” 『! そうなんだ・・・』 “そう。 だけど、3歳からは幼稚園に入園するから人間界に行けるようになる。 でも、幼稚園から小学校までの期間は必ず大人が一緒じゃないと人間界に行けない” 『!』 “でも、中学生からは1人で人間界に行くことが出来るんだ” 『あ、だから──』 “そう、だからだよ。 それで3つ目は、結夢が小学校に上がった時、幼稚園の記憶を失ってしまったから” 『っ──』 “中学生だったら、小学の時よりも、思い出す時に衝撃が減ると思ったから。 だから、幼稚園のあの日から10年後に、ヒントを教えに来たんだ” 『そうだったんだ──』 “うん。 でも、やっぱり結夢は私の読み通り、徐々に勘が鋭くなっていった。 私の正体もバレちゃったし、魔法を解くのも、ヒントをのみこむスピードも思ったよりも凄く早かったし──” 『・・・・・・』 “勘が鋭かったのは、私の読み通りでよかったけど、心から笑わないのは、ずっと変わって欲しいと思ってた” 『・・・・・・』 “カギの仕組みを教えた時に言ったけど、本当に、結夢の心からの笑顔が見たかったんだ──。 ・・・これが真実だよ” 『話してくれてありがとう。 ねえ?魔結。 もしかして、魔結が魔法使いだって知って私が魔結を嫌いになると思ってる?』 “・・・・・・” 『魔結。 もしもそうなら、私、魔結が魔法使いって知って嫌いになんてならないよ』 “・・・どうして? 私は、結夢に魔法をかけたんだよ? それに、夢の中でヒントを教える時に、私は正体を隠して代理って嘘をつたんだよ?” 『うん。 でもそれは、私を助けるための魔法でしょ? 私を助けるための優しい嘘でしょ?』 “それは・・・” 『ねえ、魔結。 魔結が魔法使いだったから、私は今、ここにいられるんだよ。 魔結が魔法使いじゃなかったら、魔結と私は幼稚園のあの日、出会えていないかもしれないんだよ』 “!” 『私の大切な親友の魔結に会えていないかもしれない。 私の心はまだボロボロのままだったかもしれない』 “っ・・・・・・” 『だから、魔結が魔法使いの意味がある。 私が人間の意味がある。 魔法で私を助けてくれて、ずっと見守ってくれて、私が幼稚園の記憶を失って、魔結の事を覚えてないと知っても、私のことをずっと気にかけてくれた 親友でいてくれた』 “っ──” 『ありがとう。 私、魔結に感謝してる。 それと、ごめんね魔結。 今まで思い出せなくて・・・。 私も、魔結が大切な親友だよ。 魔法使いの魔結が私は1番大好きだから。 だから、嫌いになんてならないよ──!』 “・・・・・・。 そう、思ってくれてたんだね・・・。 ありがとう──。 ・・・私も、結夢のこと嫌いになんてならない” 『!』 “結夢は私の大切な親友だから。 私は人間の結夢が大好きだから。 私こそありがとう、結夢。 これからも、嫌いにならない?” 『ならない!!』 “私の事、忘れない?” 『もう二度と忘れない!』 “私の親友でいてくれる?” 『もちろん!! ずっと、私の大切な親友!! 目が覚めても、ずっと大切な親友!!』 “うん!” 『これからも、会える?』 “会える! 絶対、会う!” 『うん!』 “結夢、また会おう! 次からは、“親友”として──! またね──!” ✩私の親友 _______________ 「魔結!」 私は夢から目が覚めた瞬間、ガバッと勢いよく起き上がった。 「私、魔結とたくさん喋ったんだよね? 本当の夢じゃないよね?」 ベッドの上で、さっき魔結と喋った事が夢じゃないか心配になった。 とても、幸せな出来事だったから──。 でも、そんな私に、さっきの出来事を信じさせるかのようなものが私の手の中にあった。 それは──。 1枚のメッセージカード。 メッセージカードには“ありがとう”の文字が書いてあった。 「あの出来事、本当だったんだ。 良かった──」 そう、肩の力を抜いた瞬間──。 “信じてくれて良かったー!” ベッド横にある窓からそんな声が聞こえた。 「えっ!! 魔結!? なんでここに!? 魔法の世界に戻らなくていいの!?」 そう言いながら、窓へと視線を移せば魔結がいた。 “戻る前に、結夢に説明しに来たんだ” 「説明っていうのは、魔法の世界の事と、これからについてかな?」 “さすが結夢。 そうだよ、私は、魔法の世界とこれからについて説明しに来たんだ” そう言いながら悲しそうな顔をする魔結。 「魔結、そんな悲しい顔しないで? 話、聞かせてくれる?」 “うん、分かった まず、魔法の世界に戻らなくていいのかって言う結夢の質問に答えるね” 「うん」 “学校の方は問題は無いんだ。 それは、魔法の世界の勉強って人間界と少し違うんだ” 「そうなの?」 “そう。 私達は人間界と同じように、国社数理英も勉強するんだけど、その勉強内容って人間界よりも断然少ないの” 「そうなんだ」 “そう。 でもそのかわり、私達は魔法の勉強をするんだ。 だけど、私は魔法の勉強を小学校の時には全てをマスターしてたの。 だから、中学の魔法の勉強も出来てたから、国社数理英の勉強の単位さえとってれば大丈夫なんだ。 逆に、私の学校は単位さえとっればっていう人がほとんどなんだ。 だから、学校の方は大丈夫!” 「そうなんだ。 魔結の世界の単位はどうなってるの?」 “魔法の世界の単位は人間界と変わらないよ。 これは私の中学の場合だけど、レポートと課題さえ提出してれば大丈夫なんだ” 「そうなんだね。 それと、さっき魔結は、学校“は”って言ったよね? ていうことは、それ以外に何か問題があるの?」 “・・・細かなところまで聞いているんだね。 そうだよ、学校はさっきの説明通り、問題はないよ。 だけど──家の方がね” 「魔結の家の方?」 “そう。 幼稚園の頃、結夢のことを私の家族に説明して、毎日人間界に行きたいって言ったんだ。 家族は両親ね。 両親に言った理由は、幼稚園から小学生は大人と一緒じゃないと人間界に行けないから” 「夢の中で言っていた事だね」 “そう、さすが結夢。 それで、説明したら両親は、幼稚園の頃は2週間に1回、小学生になったら1週間に1回、中学生になったら、毎日行っていいって言ったんだ。 だけど、それには条件があって・・・” 「・・・・・・」 “その条件っていうのは、結夢の魔法が解けたら、私の両親に魔法が解けたことを言って、月に2回のみ、人間界に行っていいって事なんだ・・・。 だから、今日から2週間、私は魔法の世界に戻って、2週間後に結夢に会うってことになるんだ・・・” 説明する前よりも、もっと悲しそうな顔をする魔結。 説明が終わった瞬間、顔を俯かせてしまった。 「大丈夫だよ、魔結。 今までは月に1回、満月の夜にしか会えなかったけど、これからは月に2回も会えるんだよ! 魔結の両親に感謝だね! それに、これが私たちの親友の形だよ!」 わざと私は明るい声でそう言った。 もちろん、私と魔結は親友だ。 だから、咲月も星花みたいに学校でも会いたい。 月に2回しか会えないのも悲しい。 だけど、今までは月に1回しか会えなかったのも事実。 だから、それよりも会う回数が増えたと喜ぼう。 これが私たちの親友の形だから──。 “! そうだね! 月に2回、結夢に会えるもんね! これが、私たちの親友の形だよね! よーし!また、2週間後に楽しみに来るからね、結夢!” そう言った魔結に、さっきまでの悲しい顔はどこにもない。 次会うのが2週間後でも、最後はやっぱり笑顔がいい。 「うん! 2週間後、私も楽しみに待ってるよ、魔結!」 だから私も心からの笑顔で見送るよ。 “うん! それじゃあね、結夢! また、2週間後に会いに来るから──! またね──!” 次会う時まで──。 そんな私の想いが通じたのか、それとも魔結も同じ事を思っていたのかは分からない。 だけど、魔結も心からの笑顔を残して、スっと空に見えなくなった。 たくさんのキラキラと光る小さな星を残して──。 まるでこれが、私たちの親友の形だと言っているかのように──。 _______________ “結夢ー!!” 「魔結!」 あれから2週間後──。 魔結が約束通り私の家に遊びに来た。 この日は、会えなかった2週間分を埋めていくように、たくさん笑って、たくさん喋った──。 “じゃあね、結夢! また、2週間後! 楽しみに待ってるね!” 「うん! 魔結、またね! 私も楽しみに待ってる!!」 私も魔結も、2週間後に会うその日を楽しみに、心からの笑顔でそう言った。 そして、魔結は2週間前と同じように、スっと空に消え、見えなくなった。 キラキラと光る小さな星を残して──。 _______________ あれから時は経ち、今日で夢の中で魔結の会ってから丁度1年が経つ。 今日は魔結が人間界に来る日。 楽しみ──。 “結夢ー!” 魔結が来るのを楽しみに待っていた時、魔結の声が聞こえた。 「魔結!」 “結夢、あの日から丁度1年だね” 「そうだね。 あの頃は魔結とここで話してるとは思わなかったなー」 “私も、結夢とここで話してるなんて思わなかった!” 私達は会って早々たくさん会話した。 少し経って、魔結が思い出したかのように言った。 “あっ! ねえ、結夢。 幼稚園の時に行った公園行かない?” 「いいね! 行こう行こう!」 “じゃあ、準備しよう!” 魔結のその言葉で、私達は公園に行く準備をした。 今日は、夢の中で初めて魔結に会った日。 そして、幼稚園のあの日、初めて魔結に会った日。 私はこの日を忘れないだろ。 魔結との思い出の日を──。 _______________ あれから約半月後──。 今は2月。 そして、今日は私の誕生日。 でも、今日は魔結は来ない日。 そう思っていたのに──。 “結夢~!! おはよ! 遊びに来たよ!” 魔結が来た。 「魔結!? 今日は来ない日じゃないの!?」 “そうなんだけど、今日は去年からずっと言いたかったある言葉を言いに来たんだ!” 「ずっと言いたかったある言葉?」 “うん! 去年に今年の今日、言うって決めた言葉を言いにね!” 「言葉って?」 “お誕生日おめでとう!結夢!” _______________ 私の親友は、住んでいる世界が違って、魔法が使える、魔法使い。 その親友のおかげで、親友がくれたプレゼントで、私の世界は180度景色が違って見えた。 あの時に親友と会えたから。 私の親友が魔法使いだったから。 私が人間だったから。 私の心がボロボロだったから。 全てがあるから、私のかけがえのない今がある。 魔法使いと人間で、見えない線があったとしても、小さなきっかけで、私たちの気持ちでその線はなくなっていく。 たとえ過去に何かあっても、小さなきっかけで、明るい新しい未来がついてくる。 たとえば、魔法使いの親友が。 心からの笑顔が。 もう、愛想笑いなんて意味は無い。 私は、最高の笑顔を手に入れたから。 私の大切で大好きな親友を──。 これからの私はこの笑顔で生きていく。 私の大切で大好きな親友と、キラキラと光る星の笑顔で──。 Fin 〈コメント〉 こんにちは、カナリヤです。 ここまで読んで頂きありがとうございます。 これにて、『満月の夢の魔法』は完結とさせて頂きます。 長い期間、いくつかに分けて書かさせて頂き、申し訳ありませんでした。 今回のコメントは『満月の夢の魔法』を書き始めた時の事などを書かさせて頂きます。 『満月の夢の魔法』を書き始めたのは、私が中2の夏休みの時の事でした。 あの時には、もうすでにまりあーじゅさんの受講を受けさせて貰っていて、たくさんの事を教わっていました。 その教わった事を自分流で何かに表したく、『満月の夢の魔法』が生まれました。 物語の内容は”まりあーじゅさんで教わった事”だったので、それをどう表すかが悩みどころでした。 ですが、ふとした時に魔法を使おうと思い、メモをしたところ、どんどん想像が膨らみ、今の『満月の夢の魔法』の形になりました。 キャラ設定の方では、結夢を主人公にすると決めた時、どんな性格にしようか、どんな繋がりで魔法に行き着くようにするかとても悩みました。 しかし、結夢と私自身が重なるところがあり、私の分身として結夢を書こうと思い、今の結夢が生まれました。 咲月と星花は、”こんな風に友達と会話してみたい”、”こんな風に友達と助け合いたい”、”本当の友達を3人に表して欲しい”という私の願いから、私の理想の友達像として書かさせて貰いました。 そして魔結には、”出会いのきっかけ”、”結夢(親友)を思う気持ち”、”生きる世界が違くても気持ち次第で変わる事”を表して貰いました。 幼稚園の頃、1度だけ会っただけだとしても、親友には変わりのない事を表す出会いの重要さ。 自分の事を忘れられたと知っても、親友を助けたくてずっと見守り続けた人を思う気持ち。 たとえ毎日会えなくても、生きる世界が違くても、その人達の気持ちだけで生活が変わる事。 たくさんの事を結夢と魔結には表して貰いました。 今思えば、あの時の私の願いや思いを結夢達に叶えてもらい、『満月の夢の魔法』が完成したんじゃないかと思います。 私が伝えたいこと、私が言いたいこと、私が言ってもらいたいこと・・・。 その全てを、結夢達が叶えてくれたと思います。 人は、自分の願いや思いに気づかない事が多いと私は思っています。 ですがその変わり、人は無意識のうちに自分の願いや思いを表しているのだと思いました。 時には、無意識のうちに相手をも巻き込む程強く表したり、時には、相手も気づかい程小さく表したり、時には、その逆で、わざと自分の願いや思いを隠したり・・・。 感情を表す方法はたくさんあります。 自分の感情はたくさんあります。 それらの全ては、自分の身の回りにたくさん転がっています。 ですが、自分の身の回りにたくさんある事に気づかない事が、人は多いと私は思います。 自分の足元を確認せず、遠くを探し続け、逆に自分自身から遠ざかったり。 まさに灯台もと暗しだと私は思います。 そのため私は、一番最初に自分自身を確認し、自分の意思を固め、生きていくと決めました。 時には人の意見も大切ですが、まずは自分の意思を確かめ、自分の意思を持って生きていきます。 これで『魔法の夢の魔法』は完結しますが、これからも週に1回程のペースで私のコメントのみを掲載させて頂きます。 ここまで読んで頂きありがとうございました。 長々と書いてしまい申し訳ありませんでした。

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